REPORT 報道

セブンイレブン・松本裁判の報道を掲載します

NHK クローズアップ現代

「密着!コンビニ店主24時 便利さの裏で何が?」

2019年4月10日(水)放送


ナレーション:(要約)コンビニ24時間営業の過酷な現実を受け、2019年4月、国はコンビニ8社の経営トップを招集。

世耕経済産業相:24時間営業など拘束時間が長く、休みが取れないことなどへの処遇の不満・不安や、利益分配に対する不安・不満が多い。

ナレーション:(要約)コンビニでいったい何が起きているんでしょうか。

<24時間営業の実態とは>

ナレーション:(要約)コンビニはそのほとんどが本部とフランチャイズ契約を交わした個人事業主オーナーによって経営されています。朝7時16分、兵庫県でコンビニを経営するAさんへの密着取材をスタート。

Aオーナー:ワッ!トイレの小用のところで大便されています。たまにあるんですよ。張り紙してるんやけど。

ナレーション:(要約)些細なトラブルは日常茶飯事。午後5時前、朝から9時間の勤務を終え帰宅。夜11時、再び店へ。少しでも経費を浮かせるため、Aさんは週3回徹夜勤務をこなします。この日夜の売り上げは15,000円ほど。アルバイトを雇うと赤字になる額でした。翌日、昼過ぎまで店に残り、前の日から働いた時間は23時間に及びました。Aさんの去年の月平均労働時間は346時間。店の年間の総売り上げ約3,822万円、本部への支払いは約1,741万円、アルバイトの人件費は約1,786万円。Aオーナーの手元に残るのは、約295万円です。

<なぜ本部は24時間にこだわるのか>

ナレーション:(要約)大手コンビニの現役本部社員が匿名を条件に取材に応じました。

現役本部社員:(要約)お店は24時間営業で利益が少なくなりますが、本部はお店の利益よりも本部に入ってくるロイヤリティーを重視していますので、1時間でも2時間でも営業してもらったほうが利益になる。「夜はやめたい」というオーナーに対して、「次の契約に関わりますよ」と言って本部の方針を徹底させる。

<24時間営業に揺れる大手>

ナレーション:(要約)2019年4月、24時間営業の問題点などに対処するためセブン⁻イレブンのトップの交代が発表されました。

松永社長:(要約)社内でのコミュニケーション・オーナー様方とのコミュニケーションの改革を図りたい。

ナレーション:(要約)福井県で10年前からオーナーをしているSさんの2018年2月の経験です。例年をはるかに超える積雪に、店舗を心配したBさんは午前3時半に出勤し、駐車場で動けなくなったお客さんの救助に6時間以上追われました。

Bオーナー:(要約)従業員も私も妻も限界だったので、本部に「もう閉めさせて欲しい」と連絡しました。妻が床に寝転がって本当に青ざめて唇も真っ青で反応もなかった。救急車に来てもらって「一緒に乗って下さい」と言われたけど、店を閉められないので同行も出来なかった。涙がでてくるくらいつらかった。

ナレーション:(要約)妻は過労で4日間入院することになりました。その後、本部は「コミュニケーション不足」だったと謝罪しました。

<大量出店戦略も転機に?>

ナレーション:(要約)オーナーの不満には、同じチェーンの店舗が近隣に多すぎるというものもあります。東京でコンビニを営んでいたセブン⁻イレブン元オーナーと北海道で会いました。東京で9年前にお店をオープンした当初は売り上げが順調に伸びていましたが、6年前からすぐ近くに同じチェーンの店舗が出店しました。

元オーナー:(要約)北海道なら寒いから外で寝たら病死で亡くなれたら、生命保険を家族に残せるかなと思って。一方的に「ここにお店を出しますから」と言われ、案の定、売り上げが半分以下に落ちました。

現役本部社員:(要約)店を建てれば建てるほど、本部はもうかる。

<増え続けてきたコンビニ 大丈夫?>

武田アナウンサー:(要約)現実を知らずに毎日ほんとうに何気なく気軽に利用してきたということに胸が痛みます。石井さんは実際にコンビニ店長を取材されたということですけど、何と言っていますか?

石井光太(作家):(要約)実態が会社の説明と相当違うんだと。脳腫瘍で手術が終わった後、包帯を巻きながらやっていた、そういう実態があるんだと言っていました。入る前に会社の説明だと、「困ったときにはオーナーをヘルプするオーナーヘルプ制度とうのがあるんだよ。これを利用すれば、海外旅行だって行けるんだよ。」って言われるらしいんです。それで契約するんですが、オーナーになったら、人手が足りないので出来ない無理だと、それでオーナーがずっと頑張らないといけない。本人の自己責任じゃないんですよね。会社が約束したことを出来ていない。

高山アナウンサー:(オーナーヘルプ制度は)機能は全くしていないというオーナーさんの声がとても多かったですね。

ナレーション:(要約)時短営業に慎重だったセブン⁻イレブンは、先月(2019年3月)から全国10カ所の直営店で深夜の営業を停止、時短営業の課題を実験で明らかにし、課題をオーナー達と共有したいと言います。

<他にはどんな対策が?>

高山アナウンサー:(要約)時短営業を行うと、昼間・日中の客離れにつながると本部は懸念しているんですが、実際はどうなのか、あるオーナーのケースを取材しました。

松本オーナー:おはようございます。

ナレーション:東大阪の元オーナー松本実敏さんです。

松本オーナー:それじゃ、よろしくお願いします。

記者:今日の勤務はこれで(終わり)?

松本オーナー:これで終わりです。

ナレーション:今年2月、独断で24時間営業を止めました。一緒に働いていた妻が去年がんで亡くなり、深夜の営業が重い負担になったためです。時短営業を始めて2か月、意外な結果で出ていました。

松本オーナー:これは自分の利益が書かれたものなんですけど、40万程利益が上がっています。

ナレーション:時短営業を始めた今年2月と24時間営業をしていた去年2月の売り上げの比較です。売り上げの合計金額は時短を始めたことでおよそ114万円減少。ところが、松本さん自身の利益は昨年よりも数十万円上がったのです。最大の理由は人件費の削減。高い時給の深夜に従業員を雇う時間が減りました。時短営業の課題と言われる深夜の品出し。前日のうちに多めに発注し帰る前に棚に並べておく等、様々な工夫で乗り切っているといいます。

松本オーナー:利益も出せるし、精神的にも肉体的にも楽だったら、これ今まで何をしてきたんだろうなという感じなんですよね。自分のお店は24時間じゃなくて時短でやりますという思いがあれば、それは認めてあげるべきだと。

<24時間営業 あなたはどう思いますか?>

武田アナウンサー:そして、取材を通じて感じたことは何ですか?

高山アナウンサー:皆さん苦しいながら、実はコンビニの経営を愛してらっしゃるんですよ。何とかしたいという気持ちで日々過ごしてらっしゃいます。ですから、このとてつもなく大きな愛を是非本部だけではなく、消費者も受けとめて、かつては「開いててよかった」という感謝の気持ちがあったと思うんですよね。「やってて当たり前」っていう気分にちょっと我々はなりすぎてるんじゃないかなと反省しつつ、未来にコンビニが続いていく方法っていうのも他人事でじゃなく考えていくべきだと思いました。

武田アナウンサー:人手不足の中でどこまでこれまでのように便利さを追求していくのか、立ち止まって考えるべき時かなと感じます。


クローズアップ現代 報道 終わり

2019年3月20日

NHKおはよう関西「“深夜営業 短縮”コンビニオーナーの決断」

 

ナレーション:東大阪にあるセブン⁻イレブンの店舗です。先月1日より深夜1時から朝6時までの深夜営業を休止。社会に波紋を広げています。オーナーの松本実敏さん57歳です。7年前に店をオープン。本部との契約では「特別の合意」が無い限り、24時間営業を止めることはできません。しかし、深刻な人手不足でアルバイトを確保できず、松本さんの負担は増え続ける一方でした。

松本オーナー:朝から働いてて、(アルバイトが)夜来なくて、そのまま働いて、また次の日も働く。結局、休みがないんですよね。立てない時もありました。朝は何とか起きてくるんですけど、ここにへたりこんでました。

ナレーション:契約違反を認識しながらも、独断で深夜営業の短縮を決めた松本さん。その決断に踏み切らせたのは、妻、倫子さんの死でした。去年5月にがんで亡くなった倫子さん。抗がん剤を打ちながらも、亡くなるひと月前まで店で働き続けていました。

松本オーナー:大変なのを分かってるので、僕が「一人でやる。もういい。」と言っても(妻は)「いや。出る。」と言って、一日は無理なので昼から出てきてくれていました。絶対「つらい。」って言わなかった人なので、「大丈夫やから。私出るから。」って出てくれて、僕もそれに甘えてしまってて。

ナレーション:亡くなる直前、病院の喫茶店で倫子さんが漏らしたひとことを今も忘れられません。

松本オーナー:余命宣告で、もうあかんいうときに(店の)フォロー来てくれてたから。その時に病院の喫茶店でコーヒー飲んでモーニング食べてたんです。(そのとき妻が)「こんなん出来るなんて夢みたい。」って言ったのが、後悔ですね。それだけが後悔ですね。

ナレーション:ささやかな日常生活を過ごす時間さえも二人にはありませんでした。深夜営業を短縮した松本さんに対し、本部は即座に対応しました。通知書を送り、24時間営業のコンビニは社会インフラだと主張。深夜営業を再開しなければ、契約解除もあり得ると通告してきたのです。

松本オーナー:24時間はセブンの看板なんやと。24時間するということがセブンのイメージなんやというから。アリとゾウの闘いですよね。向こうはゾウですわ。僕はアリですわ。もう踏んだかどうかも分からん位で潰されるのがオチですわ。でも契約書に書いてあるので駄目だの一点張りなんでね。命より大切な契約書はあるんかということを問いたい

ナレーション:今、松本さんの元には全国各地のオーナーから励ましの手紙が届いています。長時間労働の末、うつ病を患いながら長時間労働を続けるオーナー等、24時間営業を最優先に掲げるやり方に疑問の声が上がっています。

松本オーナー:自分だけでやって反響がなければ、黙って消えていくんだろうなと思ってたんですけど、それだけ困っている人が多い、24時間に対して疑問を持っている人も多いということで、よけい力を与えられたというような。この人たちのためにも、もちろん自分のためでもありますし。改善すべきところは改善できるような、そんなセブンになってもらいたいと思います。

男性アナウンサー:セブン⁻イレブン・ジャパンは「東大阪の店舗のオーナーに対しては、短縮営業は契約違反にあたると説明し改善を求めてきた。その中で契約解除の可能性や違約金の試算額を示したが、解除や支払いを求めてはいない。店舗運営の在り方について、オーナーと話し合いを続けたい。」としています。